痔に対する硬化療法とは
当院では開院以来、痔の治療を切らずに治す硬化療法を主体に行っています。
痔に対して、痔核動脈周囲に硬化剤を注入して、痔に行く血流を減少させ治す硬化療法は、現在ALTA療法として広まってきております。
従来では、痔の治療は入院して手術的に痔動脈を結紮し痔核を切除する治療(結紮・切除術)が主流でしたが、近年では約10分から15分で治療でき日帰り手術が可能なALTA療法が主流になりつつあります。
このALTA療法の硬化剤ジオンRは硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸を成分とした厚生労働省が認可した国産の硬化剤で2005年3月から発売され当院でも5月から使用して2023年12月末まで単独治療だけで2415例、痔核根治術の併用として4323例 ほぼ7000例に使用して治療してきました。
硬化療法の比較
従来の硬化療法 | モリコーンを使用した 新しい硬化療法 |
当院での硬化療法の特徴としてモリコーンという肛門鏡を使用しております。
この器械には痔動脈の位置を音で知らせるドップラー血流計が埋め込まれており、硬化剤を確実に痔動脈周囲に四段階注射法を順守して注入できます。
従来の硬化療法は痔の中に盲打ちに入れていたため、痛みや腫れがありましたが、この器械を使うことで無痛領域の直腸粘膜下に確実に安全にさらに必要最適量を注入できます。その結果、現在まで有害事象や合併症はなく、再発例もほとんどありません。
患者さんからも入院をしないで楽に治療ができた、仕事にほとんど支障なく復帰できたと満足な報告を聞いております。